旅のはじまり、出発のとき

メキシコ

2025年のメキシコ、死者の日に行ってきた。ハニツィオ島で、こっちが死者になりかけたけど生還した話。メキシコシティのイルミ、オアハカ人形などを沿えて。
だが、最初からずっと非日常だった話。

2025年春、ついに死者の日に行こうと思い立った。リメンバーミーは見たことがなかった。というか、完全に忘れていて、現地で思い出させられた。
恐らく、世界ふしぎ発見を見たのだろう、生まれたときから行きたかったくらい、ぼんやり、いつも憧れていた。
検索してみたら、まるっとツアーが募集されていた。メキシコは怖い、一人で行くとプロレス技を仕掛けられてお仕舞。偏見丸出し、だからツアーが良かろう。
しかも、魔法の村、ハニツィオ島にも行く。これは運命だろう。

魔法の村との出会い、そして憧れの地へ(以下、ライフハックはない。話しているだけ)

実は、ハニツィオ島のことは知らなかった。調べた。

ハニツィオ島(Isla de Janitzio)は、メキシコ中西部ミチョアカン州のパツクアロ湖に浮かぶ、先住民プレペチャ文化が色濃く残る小さな島です。 
ディズニー映画『リメンバー・ミー』(Coco)の舞台のモデルの一つと言われ、毎年11月1日〜2日に行われる祭典「死者の日」の聖地として世界的に知られています。 

だそう。知らなかった。が、魔法の村について、多分、十年以上前に行きずりのバックパッカーから聞いた話が鮮やかに蘇った。

旅人と魔法の村、人生を導いたアルパカの魔法

南米で自分探しをしていた時、地元の人から魔法の村を紹介されたそうな。すごく役に立つ占いをしてくれると。

小さな村。短いメインストリートの両側に店が何軒か。

占い師にメモを渡され、占いの材料を村の店から買い集めるよう指示がでた。

イモリだかの干物とか、なんかの粉とか、『定番』に交じって、アルパカの干物、があった。

店で、普通に買えた。旅人は買った。袋には入らなかったので、手で持った。

足を持つと、アルパカは、棍棒のようにぴーんと立った。

旅人は絶望した。捨てる場所もわからぬ。日本に持ち帰るしかない。多分、何とか条約とか狂牛病的なアレで、検疫で捕まる。なにより、飛行機で手荷物か預け荷物かも分からない。そもそも、出国できるのか・・・?

絶望しつつも、目的があれば体は動くのだ。旅人は占い師のもとに戻った。アルパカはピーンと立ち続けていた。

占い師は、材料を受け取ると、全て燃やし、灰を旅人に振りかけることで人生を導いた。

旅人は、とにかくアルパカの絶望から解放され、晴れ晴れとした心持で帰国、新たな人生を歩み始めた。

ちなみに、アルパカからの解放感がものすごく、占いの結果は全く覚えていないらしい。

そういうわけで、南米の魔法の村でアルパカの干物をぴーんとしたい欲が、私にはあった。

控えめに言って最高じゃないか。空きもある。行こう行こう、行きましょう。

飛行機の中で、私が干物になってピーンとした話

成田からメキシコシティへの直行便に乗った。

事前チェックインが遅れた。チェックイン開始日は、老人たちを連れて京都観光をしていたので、全く余裕がなかったのだ。

気が付いたときには、真ん中席しかなかった。

真ん中席は、窓際、通路側と比べて座席自体は広いから、まぁ良いか。両側がアジア系女子だと、ほとんど苦痛はない。男でも、小さめのアジア系なら、まぁ良いだろう。

・・・通路は巨大なメキシコ男性、窓際はでかい日本男性だった。神はいない。絶望。

メキシコメンは肘置きを一瞬の躊躇もなく占領した。

私は出遅れた。肘置きを使うと、完全にメキシコメンのふくよかなバスト~お腹をぷにぷにしてしまうからだ。きっと生暖かい。自ら望んで生暖かくなることはない。

そう、いつも判断が遅いのだ。ただ、この場合は自ら触るか、触られるかの違いしかないので、メキシコメンについては、最初から詰んでいた。努力ではどうにもならないこともあるのだ。絶望。

隣の日本メンも、最初は肘置きを遠慮していたが、途中でフットレスト(カンガルーポケット状で分かりにくい)の場所を教えるなどしたのがまずかったのだろう。フレンドリーに肘置きを占領し始めた。

絶望×絶望。絶望のドミノ倒しである。真ん中の私は、両肘置きを差し押さえられ、肘を曲げることも許されず、少しでも体を傾けると、メンズのぬくもりを味わう危険な状況に陥った。

曲げて良いのは下半身だけである。肘も背中も、いままでにないくらいピーンとして地獄の13時間を過ごした。(それでもメキシコメンと私の腕は密着していたので、ずっと温もりを押し売りされていた)

今まで、こんなにスリリングなフライトはなかった。メキシコ到着までには、干物となり、伝説のアルパカくらいにピーンとなるのだろう。

かなり期待がもてる旅になる。そんな予感がしていた。


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